先月17日に肺炎で死去した内田裕也さん(享年79)のお別れの会
「内田裕也 Rock’n Roll葬」が3日、東京・青山葬儀所で営まれました。
喪主を務めた長女のエッセイスト内田也哉子(43)さんが
謝辞を述べた際、その才能と思いに感動する人が続出しました。
内田也哉子(ややこ)さん1976年2月11日生まれ。
ご周知の通り、
内田裕也さんと樹木希林を両親に持ち、旦那さまは本木雅弘さん。
その独特の磨かれた感性の也哉子さんは
日本を代表するロックスター内田裕也さんに
どのような言葉を残されたのでしょうか。
内田裕也の娘・内田也哉子の弔事全文!
以下が也哉子さんの弔事全文になります。
私は正直、父をあまりよく知りません。わかり得ないという言葉の方が正確かもしれません。けれどそれは、ここまで共に過ごした時間の合計が、数週間にも満たないからというだけではなく、生前母が口にしたように、こんなに分かりにくくて、こんなに分かりやすい人はいない。世の中の矛盾を全て表しているのが内田裕也ということが根本にあるように思います。
私の知りうる裕也は、いつ噴火するか分からない火山であり、それと同時に溶岩の間で物ともせずに咲いた野花のように、すがすがしく無垢(むく)な存在でもありました。率直に言えば、父が息を引き取り、冷たくなり、棺に入れられ、熱い炎で焼かれ、ひからびた骨と化してもなお、私の心は、涙でにじむことさえ戸惑っていました。きっと実感のない父と娘の物語が、始まりにも気付かないうちに幕を閉じたからでしょう。
けれども今日、この瞬間、目の前に広がるこの光景は、私にとっては単なるセレモニーではありません。裕也を見届けようと集まられたおひとりおひとりが持つ父との交感の真実が、目に見えぬ巨大な気配と化し、この会場を埋め尽くし、ほとばしっています。父親という概念には到底おさまりきれなかった内田裕也という人間が、叫び、交わり、かみつき、歓喜し、転び、沈黙し、また転がり続けた震動を皆さんは確かに感じとっていた。これ以上、お前は何が知りたいんだ。きっと、父はそう言うでしょう。
そして自問します。私が父から教わったことは何だったのか。それは多分、大げさに言えば、生きとし生けるものへの畏敬の念かもしれません。彼は破天荒で、時に手に負えない人だったけど、ズルい奴ではなかったこと。地位も名誉もないけれど、どんな嵐の中でも駆けつけてくれる友だけはいる。これ以上、生きる上で何を望むんだ。そう聞こえています。
母は晩年、自分は妻として名ばかりで、夫に何もしてこなかったと申し訳なさそうにつぶやくことがありました。「こんな自分に捕まっちゃったばかりに」と遠い目をして言うのです。そして、半世紀近い婚姻関係の中、おりおりに入れ替わる父の恋人たちに、あらゆる形で感謝をしてきました。私はそんなきれい事を言う母が嫌いでしたが、彼女はとんでもなく本気でした。まるで、はなから夫は自分のもの、という概念がなかったかのように。
もちろん人は生まれ持って誰のものではなく個人です。歴(れっき)とした世間の道理は承知していても、何かの縁で出会い、夫婦の取り決めを交わしただけで、互いの一切合切の責任を取り合うというのも、どこか腑(ふ)に落ちません。けれでも、真実は母がそのあり方を自由意思で選んでいたのです。そして父も、1人の女性にとらわれず心身共に自由な独立を選んだのです。
2人を取り巻く周囲に、これまで多大な迷惑をかけたことを謝罪しつつ、今更ですが、このある種のカオスを私は受け入れることにしました。まるで蜃気楼(しんきろう)のように、でも確かに存在した2人。私という2人の証がここに立ち、また2人の遺伝子は次の時代へと流転していく。この自然の摂理に包まれたカオスも、なかなかおもしろいものです。
79年という長い間、父が本当にお世話になりました。最後は、彼らしく送りたいと思います。
Fuckin’ Yuya Uchida,
don’t rest in peace
just Rock’nRoll!!
破天荒な父と独自の感性で生きる大女優の母の遺伝子を
見事に受け継いだ也哉子さん。
それと同時に、ご自身の送って来られた
人生の経験値の高さや深さを感じさせる
素晴らしい弔事です・・・
しおしお
内田也哉子さんの弔辞の言葉選びがなんかすごくて、圧倒された。すごい世界観だな。
— もりもと (@nakaccchi) 2019年4月3日
内田也哉子の弔辞を聞いてると紛れもなく内田裕也の娘なんだと納得
なんか内田裕也と同じ狂気を感じる #グッディ
— 毒の王子さま (@qm_cq) 2019年4月3日
ジーンとしちゃった RT @keiz43kassy: Fuckin’ Yuya Uchida,
don’t rest in peace
just Rock’nRoll!!
(報道の一部は一行めを放送していない)
内田也哉子の弔辞。夫の本木雅弘さえも存在感がかすむ血の濃厚さ。
裕也さん、どうか安らかに眠らないでください。https://t.co/3E85UY15pe
— 関根真理-Mаричёв (@marichov) 2019年4月3日
なんという凄まじい弔辞。
震えるほどの文章とはこのことか。https://t.co/ad20Pew4C6 @YahooNewsTopics— たかまる (@takachan9999) 2019年4月4日
内田也哉子さんの弔辞、めちゃくちゃロックだな…
これは間違いなく内田裕也の血を引いてますわ…
— きくちゆうすけ (@ysk72536) 2019年4月3日
多くの方が心打たれているようです。
深いのに潔いというか、それでいて素直でロックで本当にかっこいい。
【動画あり】内田也哉子の文才も声も凄すぎる!
弔事の様子の動画をお借りいたします。
深く落ち着いた声が魅力的です。
(動画は予告なく削除される可能性があります)
さらに、也哉子さんはSighboatというバンドを組んでいらっしゃいました。
ジャジーな演奏に語りやスキャットを入れる
也哉子さんの声はどこかUAさんを思い出させますね。
是非、也哉子さんの素敵なステージもチェックしてみてください!
まとめ
偉大なるロックスター内田裕也さん。お悔やみを申し上げると同時に
也哉子さんの言葉を通して感謝の念が湧いてきました。
「生き物への畏敬の念」まさにです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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